2013年3月28日木曜日

2012年お米の食味ランキングを考察|ハツシモは今回もAランク


日本穀物検定協会による2012年お米の食味ランキングが発表されました。
水稲を育てている立場として、2012年お米の食味ランキングを考察したいと思います。

食味試験

食味評価エキスパートによって、基準米を複数産地のコシヒカリのブレンド米とし、「外観・香り・粘り・味・粘り・硬さ・総合評価」について食味試験が行われました。評価は基準米と比較して、「特A=特に良好」、「A=良好」、「A´=同等」、「B=やや劣る」、「B´=劣る」となっています。
128産地品種が試験にかけられた結果、特Aが29、Aが62、A´が37、Bが0、B´が0点でした。

特Aランク

特Aにランクされたのは29点でした。品種別にみると、「ななつぼし 1点」、「ゆめぴりか 1点」、「ひとめぼれ 3点」、「あきたこまち 1点」、「コシヒカリ 11点」、「はえぬき 1点」、「つや姫 1点」、「なすひかり 1点」、「ハナエチゼン 1点」、「ヒノヒカリ 3点」、「元気つくし 1点」、「さぎびより 1点」、「にこまる 1点」、「森のくまさん 1点」、「くまさんの力 1点」でした。

言うまでもなく魚沼産コシヒカリは特Aランクであり、新潟産のコシヒカリは6つの地区のうち4つで特Aにランクされています。新潟のお米への注力と米作りに適した環境がうかがわれます。
全体的な傾向は、コシヒカリをはじめとして粘りの強い品種が特Aにランクインしました。
しかし、北海道のななつぼしや熊本のくまさんの力など、粘りの少ないさっぱりとしたお米も特Aにランクインされています。

特に注目すべき点は九州のお米が7点特Aにランクインしたことでしょう。近年の水稲の品種改良の成果によって、高温下であっても優れた米品質をもたらす品種が採用されております。それによって九州地方でも高品質のお米を生産できるようになりました。

リンク「高温登熟性に優れる水稲新品種「元気つくし」の育成およびその特性
リンク「高温下でも収量、品質の低下が少ない水稲品種「さがびより」の育成
リンク「長崎県の新しい水稲奨励品種「にこまる」
リンク「高温登熟性に優れる良質良食味の水稲品種「くまさんの力」の特性

将来、地球温暖化が進行すると、これらの水稲品種を本州で栽培する日も来るかもしれません。

Aランク

Aにランクされたのは62点でした。当センターで生産しているハツシモもAランクです。この結果は例年通りでありまして、可もなく不可もなくといったところでしょうか。
ハツシモは粘りが少ないさっぱりした食味で、粒が大きいのが特徴です。
過去の投稿「ハツシモは匠の米」

A´ランク

Aにランクされたのは37点でした。地域の傾向は、北は青森、南は鹿児島までランクインされています。
意外だったのが、米所新潟の「こしいぶき」がA´であることです。
また、コシヒカリも7点がA´になっており、栽培環境が食味に与える影響の大きさに気付かされます。
このようにランク付けしてしまうと、「A´」のお米はおいしくないように感じますが、A´の食味試験の結果は、基準米(ブレンドのコシヒカリ)と同等です。

いろいろなお米を試してみて、好みに合った、用途に合ったお米を見つけることが大切なように思います。
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