2012年10月19日金曜日

土壌水と植物の関係|底面自動潅水装置つきプランターの仕組み

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土は何から構成されているかご存知でしょうか。
今回は土の構成と土、水、植物の関係と前回記事にした自動潅水機能付きプランターの仕組みを紹介します。

 

土を手に取ってみて、「この土は何から構成されているか」を考えたことはありますか。
土は土の元となる固形分の無機物、有機物、水、空気から構成されています。
2012_09_09講義_自動潅水装置と土壌水


この中の水についてみると、
この水は化合水、膨潤水、吸湿水、毛管水、重力水に分けることができます。

聞き慣れない言葉が出てきたかもしれませんが、それぞれ説明すると、
化合水・・・土壌構造中にしっかりと組み込まれていて、取り出すことはできない。
膨潤水・・・土壌粒子に含まれている膨潤性の物質によって土壌の水和・膨潤現象などに伴って保持される水。
吸湿水・・・空気中の湿気を土壌が吸い取った水分で、土壌表面に吸着している。
毛管水・・・土壌粒子の隙間に毛管張力によって保持される水。
重力水・・・土壌粒子の大きな隙間に保持されるみずで、毛管水より動きやすい。
2012_09_09講義_自動潅水装置と土壌水

土壌に含まれるこれらの土壌水を植物は全て利用できるわけではありません。

植物が利用できる水は上図の重力水と毛管水の一部だけです。

さらに、毛管水の中でも毛管張力によって強く土壌表面に吸着されている水分は植物は利用することはできません。

よって植物が利用したいときに利用できる水を確保するには、毛管水を多くする必要があります(重力水は重力によって移動するので)。

自動潅水機能付きプランターはこの毛管水をうまく供給する仕組みになっています。2012_09_09講義_自動潅水装置と土壌水

底面から毛管張力によって紐を伝って上部のプランター内の土に毛管水が供給されます。

底面から移動した水はプランター土壌内を毛管水として乾いている所へ移動します。

そのため、プランター内には余分な重力水がないため、根腐れをすることはなく、必要な水を毛管水として吸収することができます。

フルカワ

2012年10月1日月曜日

自動潅水装置つきプランターをDIY|水やりいらずでほっといても作物を枯らさない

土と水の性質を利用した身近なものからDIYしましたのでご紹介します。
その仕組みは次回書きます。
参考にした元ネタはこちら。
Self Watering Mini Garden|instructables

1.材料

ホームセンターなどで売っている衣装ケースや書類入れなどのプラスチックケース2つ。
ビニールでない繊維の紐。
大きいプラスチックケースを選ばない限り、1000円程度で足りるのではないでしょうか。


2.作り方
半田ごてや熱した金属などでプラスチックケース一つの底に穴を開けます。
もう一つは水を貯めておく用なので穴をあけていけません。
底面全体に均等になるように開け、穴の大きさは用意した紐がちょうど通る程度にします。
紐が細いほど穴の数は多くしましょう。

穴に紐を通します。
1本の紐を2つの穴に通し、輪を作ります。
輪の長さはプラスチックケースの高さの2/3程度にしましょう。

紐を通したプラスチックケースに深さの1/3まで土を入れます。

ケースの中の紐を引っ張り、土から出します。

再び土を入れます。

もう一つのケースに水を入れます。
水の量は、ケースを重ねた際に、上のケースの底に水がつかないようにしてください。


2つのケースを重ねて完成です。

水が減ってきたら、上のケースを持ち上げ水を補充すればOKです。


3.定植、播種
定植や播種はその植物が育つ大きさを考えて行いましょう。
例えば、ブロッコリーを植えたら半径35センチは何も植えないようにしましょう。
ミズナやホウレンソウ、コマツナなどの葉物は筋蒔きしましょう。
自動潅水機能付きプランターですが、植え付けの時だけは水をあげましょう。
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