2012年1月31日火曜日

農薬の話③ 農薬の摂取許容量


Posted by Picasa

前回「農薬の安全性試験」の続き

今回は、「人間に対する安全な量の決め方」
人間に対する農薬の許容摂取量は次のように決められています。
まず、慢性毒性、発がん性、繁殖性、催奇形性の長期毒性試験から「無毒性量(その動物が一生涯にわたり摂取し続けても何ら影響のない最大の薬量)」を設定します。
この時の無毒性量は、最小の値の試験の量を基にします。無毒性量が大きいほど、安全な物質、小さいほど、危険な物質となります。

この無毒性量に実験動物と人との種差や個体差を考慮し、安全係数(1/100~1/500)を乗じ、1日摂取許容量が求められます。
この1日摂取許容量に平均体重を乗じた値は「その人が毎日その量を一生涯にわたり摂取し続けても何ら影響を及ぼさない量」を表しています。
このようにして求められた、1日摂取許容量は、食品安全委員会からパブリックコメントを求めた後に、設定されます。

1つの薬の摂取許容量はこのようにして設定されますが、同じ薬でも複数の作物で使用されことは多々あります。
よって、作物別の残留許容量が決まってくるわけですが、次回に紹介しようと思います。


さて、農業とは直接関係はありませんが、、
リチャード・セント・ジョン「成功者だけが知る、8つの秘密!」 | Video on TED.com
当たり前のことを自信を持っていっていますが、出来ていない事も多いですよね。英語の勉強にもなります。


フルカワ

2012年1月27日金曜日

農薬のはなし② 農薬の安全性試験


前回の続き
農薬の安全性試験について


新規薬効物質の探索で目ぼしい物質が見つかったら、次のステップである安全性試験へ進みます。

安全性試験
急性毒性
経口毒性試験
経皮毒性試験
吸入毒性試験
眼刺激性試験
皮膚刺激性試験
皮膚感作性試験
急性神経毒性試験
急性遅発性神経毒性試験
短期毒性
90日間反復経口投与試験
21日間反復経皮毒性試験
90日間反復吸入毒性試験
反復経口投与神経毒性試験
28日間反復経口投与遅発性試験
長期毒性
1年間反復経口投与試験
発がん性試験
生殖毒性
2世代繁殖毒性試験
催奇形性試験
遺伝毒性
復帰変異原性試験
染色体異常試験
小核試験
特殊毒性
生体機能影響試験
解毒・治療に関する試験
動物代謝試験
動物体内運命に関する試験

代謝や分解、残留に関する試験
植物代謝試験
適用を受ける植物群から試験に用いる作物を選択
土壌代謝試験
好気的湛水土壌中運命試験
好気的及び嫌気的土壌中運命試験
水中運命試験
加水分解運命試験
水中光分解試験
残留分析法の確立
すべての適用作物および2種類以上の土壌
作物残留試験
適用を受ける全ての農作物について2例以上
土壌残留試験
容器内試験
圃場試験
後作物残留性試験
水質汚濁性試験


農薬の環境や生態系に対する影響評価に関する試験
有効成分の性状、安定性、分解性に関する試験
色調
形状
臭気
スペクトル
融点
沸点
蒸気圧
水や有機溶媒に対する溶解度
土壌吸着性
オクタノール/水分配係数
密度
加水分解性
解離定数
熱に対する安定性
水中光分解性
水産動植物への影響に関する試験
魚類急性毒性
ミジンコ類急性遊泳阻害および繁殖毒性
藻類生長阻害
水産動植物以外の有用生物への影響に関する試験
ミツバチおよび蚕影響試験
天敵昆虫等影響試験
鳥類影響試験


書くのだけでも大変なくらい膨大な量の試験が行われます。
この様な試験が農薬の化合物に対して行われるだけでなく、動物、植物、土壌中等の代謝物についても安全性試験がなされます。


農薬の使用量の限度は、これら試験の結果から算出した量に、さらに安全係数をかけて導き出されます。
つまり、農薬を間違った方法で使用しなければ、人間の考えうる範囲では安全と言えそうです。
続く


フルカワ

2012年1月11日水曜日

パレートの法則




パレートの法則をご存知でしょうか。
ウィキペディアによると、全体の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説、と書いてあります。
これは1種の経験則で、例えば、
「全所得の8割は、人口の2割の富裕層が持つ」、「故障の8割は、全部品の2割に起因する」、「文章で使われる単語の8割は、全単語数の2割に当たる頻出単語である」、「売り上げの8割は、全顧客の2割に依存している」など、さまざまな現象・場面に見られます。

つまり、全体のうち2割が重要な役割を持っていることになります。
もう少し身近な例を考えてみると、
働きアリは、よく働くアリ、普通のアリ、怠け者のアリがそれぞれ1/3の割合で構成されています。
人間に例えてみると、
「進学校にも不良はいる」「大企業も一部の優秀な人と怠け者で構成されている」などがあげられます。

農業に当てはめて考えると…

ちょっと思い浮かびませんが、世の中にはパーレートの法則もあることを頭に入れて農業をしていきたいと思います。
フルカワ


2012年1月5日木曜日

あけましておめでとうございます

Posted by Picasa


新年明けまして、おめでとうございます。
今年も、フィールドセンターをよろしくお願いいたします。

新年の販売は1月6日(金)からですのでお気を付けください。


★ 販売日: 月・水・金
昼12時30分~15時
フィールドセンター事務所前(農場管理棟1階)
連絡先: 058-293-2978
★★予約も受け付けております。★★



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